掛札逸美先生のホームページを読み、下書きに入れたままの記事があることを思い出しました。
掛札先生は1歳児3対1の配置を再考する新潟県の新聞記事と、人的配置の研究について書かれています。
https://daycaresafety.org/#toppage_update
(保育の安全研究・教育センター)
地方自治法の改正で児童福祉施設の最低基準は条例で定めることになってから、
保育者の配置人数は、市町村によって格差が生じています。
国の最低基準では1,2歳児は子ども6人に対して保育士1人ですが、新潟県の基準は日本一ですね。
さて、忘れていた記事は、「なぜ保育は誰にでもできると思われるのか」。
それは、保育園は、ただ子どもを預かる場であり、
「子育ては女性であれば本能で誰にでもできる簡単な仕事」と、
考えられているからではないでしょうか。
本屋で平積みになっている本のなかに、次のような文章を見つけました。
保育園不足にふれたあとに、
「幼稚園以前の子供を預かるのだから、保育士の資格などは不可欠ではない。
育児の経験者ならば、誰でもできる。
子供好きの女子学生でも、十分にできる。
要は、泣かれたくらいで右往左往しないことなのだ」
だから、資格をなくせば保育園不足が解消するという論理でした。
博識な方が書かれているだけにつらい。
赤ちゃんを育てるぐらい、誰にでもできる?
できません。
012歳の子どもの理解は難しいものです。
赤ちゃんはスリッパをなめ、手にした食べ物を投げます。
たった一人のかわいいわが子でも、
半数の親がたたいてしまうのが012歳の子育てです。
そのうえ、保育園は集団で子どもを預かり、
教育とケアを行う場所です。
わが子の子育て経験程度で、専門的な技術をもたない人が、
赤ちゃんの三つ子や、よちよち歩きの1歳の六つ子を毎日8時間預かったら、
食事やお昼寝すら満足にさせることができないでしょう。
普通の人であれば、イライラし怒鳴ることもあるのではないでしょうか。
この人数で子どもから離れることなく休憩もとらないクラスもあります。