保育者の研究、研究者の研究
2011-02-21


「み〜どり子め〜で〜る母のあ〜い〜、永久に安らけく〜〜いわ〜た保育士会」。
朝から何度も研究室でくりかえしております。実にうつくしい、いいうたです。

今年もいわた保育士会の研究大会に呼んでいただきました。ありがとうございます。
各園から代表が集まり、月に一回のペースでまとめていくことがどれほど大変なことか。しかしそれでも今年も大変に力作の発表がありました。本当は、「すばらしい!皆さんよくがんばりました!」で終わりたいのですが、今後のこともあり、いくつかコメントをさせていただきました。(先生方、好き勝手なコメントを述べて申し訳ありませんでした)

私は現場にいたときから不思議だなあ〜と感じていたことがあります。それは、保育者は「実践も研究もして当然」と言われ、研究としてここが不十分、あれが足りないと指導を受けてきました。なんで研究者は「研究も実践もして当然」と言われないんだろう〜。保育者が実践も研究もと言われるのであれば、研究者も実践ができるようになろうよ、へんなの、とブツブツ思っていたわけです。

自分が研究者の立場になり、しみじみ保育者が研究者と同じような研究を行う必要はない、と確信を持つようになりました。私の恩師である横山正幸先生は、「教員は、実践がもっとも大事だ。実践報告で良いのです」とおっしゃっていました。保育者の場合には、先行実践を調べ、他の園と実践を交流し、交流によって生じた新しい取り組みを報告し、その結果を考察するだけでもいいと思うんです。研究者のようにデータを分析したりしなくてもいいよ〜と思ってしまいます。研究者はアンケート調査はできても、実践報告は絶対に書けないのですから。

一年目は〇〇について毎回二人ずつ文献を調べて発表し議論。二年目は各園で実践できる部分を実践し互いに見学に行く。その内容と考察を報告します!というようなじっくりと取組む研究会もよいのではないでしょうか。だって日頃研修時間がとりにくいのですから。他園を一年間見学して、記録して、意見交換して、それを自園の実践にいかして報告なんて方法もあるかもしれません。

保育者の研究は、子どもたちのため、保育の質を高めるためですから。先生方の貴重なお時間を、研究者に合わせるために使う必要はない。私たちの実践こそが知的財産だ、と胸を張って報告していただきたいと思います。
禺画像]
 経験知を言語化する(今年度の研究会での様子)
[保育の研修・研究]

コメント(全3件)


記事を書く
powered by ASAHIネット