G3保育環境研究会で、門真市の柳町園(やなぎまちえん)を見学させていただきました。
園長の大西宏幸先生には、今年3月の保育教育学研究会で、公立から民間委託を受けた後の、保育環境の改善についてお話をいただきました。ビフォー・アフターの写真を見て、古い園舎が建て替えになる前に一度行きたいと思っていました。
雨の中、園に到着。建物の外壁は、確かに公立時代を感じさせますが、園庭からは施設っぽさ(傍点つけたい)が感じられません。
右側はテラス。園庭には平面の空間と、勾配のある空間が設けられています。
木が植えられていました。砂場は、砂の種類が異なる砂場が三カ所あるそうです。
0歳児の保育室。これまでにあったものを活かしながら空間を工夫して作り変えています。
これ、何だと思います?私は、何なのかちっとも想像がつきませんでした。
ここのコーナーから、子どもたちがお盆に乗せていろいろ運んでくるんです。
この黒いパネルは、お好み焼きの鉄板なのでした。う〜ん、さすが大阪です。
「マヨネーズはおかけしますか?」、「あおのりとかつおはおこのみでおかけください」と子ども。食べ慣れてますね。
各クラスは、先生方の工夫にあふれていました。この園の先生方は、休日にショッピングに行っても、子どもたちのことを思って商品を見ているのではないかしら、と思いました。
壁の手作りボード。これは大好きですね。
お人形の寝ているベッドは・・・
100均の植木鉢なのでした。う〜ん、これも大阪魂を感じる・・・
翌日の乳児保育研修会では、「目の前の子どもの姿に合わせて環境をつくる・選ぶ」という基本を演習を含めてお話しました。
たとえば、粗大な動きが多い時期には、粗大な運動ができる場づくり。
手を使いたがる時期には、手を使える素材と道具。
見立てやつもりが出てきたら、見立てやすく、模倣ができるごっこ遊びのシンボルや道具など。
「子どもの姿に合わせて環境をつくる・選ぶ」は、子どもが変わっても、園や時代が変わっても、使える原則的な理論です。こうした行為の判断基準となる原則的な理論を持たない場合には、あるメソッドを教条的に持ち込んだり、こんな環境が理想だと捉えることが起こりがちです。しかしそういう行動は、専門職らしくありません。専門知識に基づいて、目の前の子どもたちと地域、園の実情に合わせて柔軟に実践できることが、保育の専門性の証です。
先生方の専門性と工夫が感じられる園に行くと、とても幸せな気分になります。