はう運動あそびで育つ子どもたち
2014-11-28



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朝、川沿いを歩きながら、「おはよう、おはよう、ゆげがでる、はなからくちからぽっぽっぽ・・・」と歌が出るようになりました。(誰かに聞かれたら怪しい人です)。関東では、一気に冬の朝を迎えています。


最近あちこちでお勧めしていますが、またもや、保育の現場で日々尽力されていらっしゃる先生方に、「絶対におすすめです」と自信をもって言える本の紹介です。

今井寿美枝「『はう運動あそび』で育つ子どもたち」大月書店、2014


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今、保育者の研修テーマには、「特別なニーズをもつ子ども」「気になる子ども」などが並びます。先生方が特別な支援を必要とする子どもを理解したい、具体的に支援する方法を知りたい、というニーズは高いと思われます。

私も研究で全国の園におじゃましながら、いつも気になるのが子どもの体体幹が安定せずにふらふらとした姿勢で歩く子どもがどのクラスでも目につきます。つい研究を忘れて、「さくらんぼリズムなどを保育に取り入れてみてはどうですか」とお話することがありました。さくらんぼリズムは、発達を系統的に捉えたリズム運動で、感覚統合理論とも合致します。運動量も運動のバリエーションも多く、乳児期の動きの経験不足を補う効果や療育としての効果も高いと感じてきました。しかし、さくらんぼリズムには広い空間が必要です。

この本で紹介されている「はう運動あそび」は、狭い室内空間でも全身を使うことができ、運動量が非常に多い活動です。『はう運動遊び』で育つ子どもたち」は、チャイルドハウスゆうゆう(児童発達支援事業施設)の22年の実践をもとにして、はう運動あそびを中心にまとめられた本です。

第一章の、「『はう運動あそび』でこんなに変わる」では、「丈夫な体になる」、「よく眠れるようになる」、「なんでも食べられるようになる」、「ゆるいうんちや便秘が解消されバナナうんちになる」、「手先が器用に使えるようになる」、「笑顔が輝くようになる」、「ことばが増え、理解力が育つ」、「多動や問題行動がおさまる」と各項目ごとに、保護者の体験談が紹介され解説が語られます。その変化があまりに劇的すぎて、子どもが変わる実践を経験したことがない場合、信じられないかもしれません。私は、親御さんたちの喜びをともに感じながら、実践に圧倒され、ときに「すごい、すごすぎる」とつぶやきながら読みました。理論をもつ実践者の真骨頂を見せていただいた思いです。

第二章、「『はう運動あそび』と『生活リズム』の相乗効果」では、「発達の順序性を知る」、「生活リズムを整える」ことについて理論的な解説が、Q&A形式でわかりやすく書かれています。保育者が保護者に伝えたいことがわかりやすくしかも「やってみたい」という気持ちがわくように表現されています。保護者への貸し出し用書籍としても準備しておきたい本です。


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