先日、乳児クラスの食事場面をビデオで見る機会がありました。
客観的にビデオで見ると、食事中の保育者の声が多いこと、多いこと。大勢の子どもたちに対して、数人の保育者が大きな声で、「○○ちゃん、すご〜い」、「カンカンしない」、「○○ちゃんすわって」と声をかけるので、とってもにぎやかです。私も、保育者のときには同じようにやっていたと思うのだけれど、ビデオで見るとかなり苦しい。
昨年、吉本和子先生の講演会にお話を聞きに伺ったとき、園内研修で、先生方が食事のときに子どもに話している言葉を書き出しをした一覧表を見せていただきました。(ありがたいことに希望者全員がカメラで撮影して帰りました)
1歳児には、
「○○ちゃん、ご飯にしようか」
「元の場所に戻せる?」
「待ってるからなおせたらきてね」
「イスひくね」
「おわんにお汁入れるね」
「今日はさつまいもが入っているよ」などの言葉がズラリと並びます。
それらの言葉の一つひとつに、自主的な行為への働きかけ、状況の説明、方法の説明、情報の提供等の意図が書き込まれていました。集団の保育でありながら家庭以上の意図のある丁寧なかかわり。プロの仕事です。う〜ん、私にはこんなていねいな保育はできていませんでした。
保育者が、テンション高く、甲高く大きな声で話さないといけないのは、大きな集団で一斉に何かをさせないといけないから。012歳児は、集団に合わせて自分をコントロールする発達段階ではありません。その子どもたちを集団で活動をさせること自体が、超早期教育なのかもしれません。
一斉にトイレに行く、一斉に食事を食べ始めるなど、012歳児の発達段階に合わないことをさせようとすると、保育者の過剰な援助が必要になります。一斉に生活させることをやめれば、待たせるために、手遊びや声かけで時間をもたせる必要も減り、励ましたり急がせたりするための声かけは不要になり、大切な声が嗄れてしまうことも少なくなるでしょう。家庭のようなあたたかい保育をしたいと願っている保育者はストレスが減るのではないかと思います。
ながかみ保育園の0歳児保育室。おだやかであたたかな暮らしがあります。
ながかみ保育園 0歳児保育室に置かれているポットとコップ
「子どもは生活全体のなかで人格を形成する」ことは以前から言われてきましたが、とくに食事や午睡、排泄などの生活場面を含めた「暮らしの質」に目を向け、改善を行う園が増えてきました。
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