保育実践研究のテーマ(2)
2013-11-21


「素材の選択と子どもの遊び」に関する演習を行った後、突然「研究テーマを変えようかなあ…」と言い出したゼミ生のKさん。(ゼミ論提出まであと一か月なんですけど・・・)「モンテッソーリ教具を用いた遊び」という創造的なテーマに変更です。

禺画像]
わずか数分で作ったKさんの作品。


今回は、保育者が行うグループ研究(異なる園の先生たちで行う研究)の具体的なテーマのお話。以前、保育者が行う実践研究では、「なぜ」を追及する検証型の研究よりも、「どのように」「どのような」という問いで実践内容を明らかにする研究の方が取り組みやすいという話を書きました。よりよい保育をしたいという思いがあると、どうしても「よい○○とは何か」とか「望ましい○○のあり方」を研究したくなりますが、まずは、それぞれの園の実践内容とその考え方を明らかにする研究に取り組むことで、よりよい実践に対する考察が生まれてきます。せっかく貴重な時間を使ってグループ研究をするのですから、実践に役立ち専門性を高める研究に取り組みたいですね。

たとえば、異なる園の先生方で取組みやすい研究テーマには、こんな内容があります。
保護者の保育参加の方法と工夫 → 目的:保護者の保育参加にはどのような方法や工夫があるのか→方法:各園で行う保育参加の方法と工夫を持ち寄る。その他の実践を調べる。→効果的な保育参加について考察する。
慣れ保育(慣らし保育)の方法と工夫 → 目的:子どもと保護者が通園という新しい生活に自然に慣れるためには、どのような方法や工夫があるのか→方法:各園で行う慣れ保育の方法と工夫を持ち寄る。その他の実践を調べる。慣れ保育の方法と工夫を整理する→効果的な慣れ保育の方法と工夫を考察する。
年長児クラスの教育(教育内容の保幼少連携)→ 目的:年長児の後半、各園ではどのような教育が行われているか、実態を明らかにする→方法:調査する内容を決め、各園の保育内容をその枠に沿って担当者が内容を記入する。年長児クラスの教育内容を類型化し指針や要領と比較して考察する。
X歳児(×歳児〜×歳児)クラスの話し言葉を育む保育目的:X歳児の話し言葉を育むためにどのような保育を行っているかを明らかにする→ 方法:各園で行っている保育内容(環境構成は写真・直接的援助は書き出す)を持ち寄る。→全員で見合い、内容の類似性に基づいて類型化し、表題をつける→話し言葉を育む保育について考察し構造化してポイントを示す。(話し言葉の部分を他の内容に変えて応用できます)
保育者の「環境構成」のとらえ方 → 目的:保育者は環境構成をどのようにとらえているか保育者の意識を明らかにする→ 方法

続きを読む

[保育の研修・研究]

コメント(全0件)


記事を書く
powered by ASAHIネット