立場上、保育者の研究大会で助言者をすることがあります。そんなとき、ほんとに申し訳ない気持ちでいっぱい。
なぜなら私は現場にいたときには夜と休日は教材準備で精一杯だったため、「無理です。できません。保育に支障が出ます」と、研究担当を受けなかったからです。
退職してから研究会に参加し、見よう見まねで研究報告書を書きはじめました。大学院へ入ってから、(なあんだ、研究には、こんなお作法があったのか)と、研究報告の書き方がやっとわかりました。研究者でも、自立して研究するために大学院に5年は所属します。それもなしに、「保育者は研究に弱い」と言われるのはとても理不尽。
研究大会でコメントするときには、研究的な
「実践」の内容についてコメントするように意識していますので、報告としての体裁を整えるためにあまり時間を使いすぎないでくださいね。研究は手段にすぎませんから。もしも誰かに、「研究としてここが悪い、研究の基本がなっていない」と言われることがあったときには、「私は、保育の実践者ですから!」と、両腰に手をあて、堂々と胸をはっていてほしいと思います。
保育士の場合、自分の関心とは異なるテーマが割り振られる場合があります。強制的に割り当てられる研究には、参加させないという強者の園長先生もいらっしゃるようですが、雇用される保育士の立場では、拒否するのは難しいですよね。新人教員の私にできるのは、保育者への情報支援しかありませんから、研究的な実践の方法について少しずつ書いていきたいと思います。
まず何か研究テーマがやってきた場合には、同じテーマを研究した人、同じテーマで実践した人がこれまでにいるかを調べてみます。保育者が、先行的な実践をどうやって探すか。
今のところまだ実践の蓄積サイトはありませんが、刊行された論文や本に載っている実践であれば探すことができます。
たとえば「子育て文化」という研究テーマが割り当てられたとします。
まずはネットで検索。「子育て文化」と名のつく研究所やサイトなどが見つかるでしょう。そこから参考資料が見つかる場合もあります。似たようなキーワードでも探してみましょう。
信頼できる情報は、
国立情報学研究所の GeNii 学術コンテンツ・ポータルで。
まとめて検索の枠に、「子育て文化」というキーワードを入れると・・・。
検索結果として、「子育て文化」に関連する
論文や本・雑誌の一覧が出てきます。検索結果は、論文が76件、関連書籍が50件他。そうすると、子育て文化をテーマにした保育園の実践が、どの雑誌の何月号に載っているかがわかります。
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そこから論文の検索であるCiNiiをクリックし、詳細検索で題名に「子育て文化」と入れ、本文ありにチェックを入れて再度検索すると、ネット上で読める論文が6件出てきます。論文の最初の部分には、言葉の定義やそれまでの先行研究が整理されていることがあります。
元にもどって、